2012年4月20日金曜日

新歓巡検



新入生歓迎の時期も終わり一段落着いたところで、いよいよ新年度のちりけん初巡検である新歓巡検が行われました。今年は新入生も数人入り、ひと安心と言ったところだと思われます。

さて、今回は新歓巡検について報告します。今年は奈良まちをテーマに巡検を執り行うこととなりました。主な経路は西大寺駅前から出発→平城宮跡→法華寺→海龍王寺→東向き商店街→猿沢池→興福寺→東大寺となりました。各地点では担当者による説明がもうけられ、新入生・現役生に奈良について一部ではありますが親しみを持ってもらえるようにしてまいりました。新入生にとっては初巡検となる今回は、私たちの活動を知ってもらえたことだと思われます。

巡検の中身についてですが、私が担当した興福寺を説明させていただきます。

興福寺は南都七大寺の中で最も奈良の街とつながりを持ちながら発展した寺になります。和銅三年(710)藤原不比等が飛鳥から平城京へ前身の厩坂寺(うまやさかでら)を移転したもので、藤原氏の氏寺(氏族の氏上・族長が自身あるいは一族の現世安穏と故人の菩提を祈るために建立した寺)として、藤原一族の隆盛とともに寺勢を拡大した。また、神仏習合の影響も受け、春日大社と一体化し、時には僧兵を従えて朝廷へ強訴に及ぶまでになりました。

治承四年(1180)源平の争乱の際に平家に焼き討ちされ、ほとんどのお堂が焼失しますが、鎌倉時代に移り変わってからすぐに再建されました。現在の堂塔は、鎌倉以降の建物を一部残し、広い境内に中金堂・東金堂・北円堂・南円堂・五重塔・三重塔・大湯屋・大御堂・国宝館などが建て並び、仏教彫刻類は天平時代(8世紀初~8世紀末)や鎌倉時代の名品を数多く保存しています。

今回の新歓巡検では、歴史的分野に偏りがちなものが多くありましたが、それも知識の幅を広げていくこととして見ていこうかと思います。私のように歴史的分野を専門とした人間が地理を踏まえて研究していくことは、なかなか難しいことも多いですが、その分やりがいがあると思います。

これから、一年間私たち地理学研究会をよろしくお願いします。(三回生 T)